2012,09,14, Friday
発毛の司令塔のエネルギー源に迫る!

写真は、毛乳頭細胞の中を蛍光顕微鏡で観察した様子です。
核は青色、ミトコンドリアは橙色、そして、微小管と呼ばれるタンパク質を緑で見えるように特殊な処理を施しています。
細胞の情報であるDNAを蓄えた核(青)が見えます。
この中に詰まった遺伝情報がタンパク質へと形を変えて、様々な機能を発揮します。 ATP合成を行うミトコンドリア(橙)は点在し、その位置は一見、無秩序に見えますが、良く見てみると、そうでないことが分かります。
ミトコンドリア(橙)は微小管(緑)と呼ばれるレールタンパク質の上に並んでいます。
なぜ、微小管の上にミトコンドリアが並んでいるのでしょうか?
実は、ミトコンドリアは、その機能を細胞の隅々で発揮する為にキネシンという分子モータータンパク質によって細胞の周囲に向かって運ばれています。
微小管には方向性があり、キネシンも決まった方向にしか進むことができないので、ミトコンドリアが行き先を間違えることはありません。
ミクロの世界では、このような厳密な制御のもとで生命活動が営まれています。
(尚、キネシンが二足歩行で運動する事を世界で初めて証明したのが、当研究所所長の加世田で、その業績は世界で語り継がれています。)
当研究所では、ミトコンドリア輸送のライブイメージングに挑戦しています。
生きた細胞の中でのミトコンドリアの挙動を解析することによって、まだまだ知られていないミトコンドリアの新しい機能が発見されるかもしれません。
特に、毛乳頭細胞と発毛機構に関するミトコンドリアの役割を明確にし、科学の更なる発展へ貢献できれば幸いです。
▼詳しくはオフィシャルページの解説をご覧下さい。
「発毛司令塔のエネルギー源に迫る!」
http://www.saravio.jp/labo/backnumber/09.html